菊池成孔の”マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究” 6

またまた、ケイ赤城のインタビューからになるが

「赤城 チックは現代音楽のバックグラウンドがものすごくあって、当時、現代音楽の響きをできるだけジャズに持ち込もうとした第一人者でもあります。そういう要素がマイルスのバンドで出てるわけですね。それで、そのときのサウンドの作り方は、僕がバンドに入ったときでもそのまま使えたんです。というのも、あの和音の作り方はリズムの邪魔をしないんです。
 ビル・エヴァンスやハーピー・ハンコックの和音の作り方になると、どうしてもそれでリズムのムードも変えてしまう。そういう響きがあるんですね。
たとえば、シンセで持続音をわぁーつと鳴らしたときに、ビル・エヴァンスのサウンドは使えないんです。
でもチック・コリアのサウンドは使えるんですよ。だから別の言い方をすれば、フェンダー・ローズが導入された段階でピアノの和声の作り方が変わった。そして、それがエレクトリック・キーボードというかたちで最後まで残った。
だから僕はやっばりそのへんを聴いて育ったわけだから、マイルスのバンドに入って 「あ、これなんだな」と思った。わりとすんなり理解できました。」

楽器を演奏しないし、和音がおもしろいと思って聞いていることはあるが、絶対音感を持っていないし、和音構成もわからないのでこの文章を読んでもよくわからないのですが、ハードとソフトとの関係のような気がします。
何かを行うために開発した機械が、開発者の意図に反して(開発者に意図以外に)使われると言うことと似ているのかもしれません。
写真で、フィルム時代は逆光撮影は×だったのが、デジタルカメラになったら〇みたいなことかもしれません。



M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究
(2008/03/31)
菊地 成孔、大谷 能生 他

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コメント

さすがマイルス

ああ、なるほど、アコースティックピアノのプレイをそのままエレキピアノでやってしまうとサウンドが台無しになってしまう(音色と倍音の問題)ので、エレキピアノでの和音は音を抜かなければならないというのがあるのですが、マイルスは自らの音楽スタイルを変遷し人選してゆく際にそこまでキーボードプレイヤーを見ていたのですね。さすがはマイルスだ。

Re: さすがマイルス

わんわんわんさん
こんにちは
アコースティックとエレキは楽器の中で共鳴しないからそのような現象が起こるのでしょうか?
色の三原色と、光の三原色について、重ね合わせると、黒と白になるのと似ているような気もします。

三原色は面白いたとえですね。

エレキピアノは「音が濃い」ため音色的にヴィブラフォンに似ているので、アコースティックピアノでよくあるような半音や全音などの2度音程をぶつけると音がにごってしまうのです。クロマチックパーカッション的な要素が強いのです。
三原色は面白いたとえですね。

それでチックはアコーステックピアノ?

わんわんさん、こんにちは
エレキピアノは「音が濃い」というのは、音が濃密に広がっていると言うことでしょうか?
今、1981年の「チック・コリア&ゲーリーバートン・ディオ・コンサート」のエアチェックのCDを作っています。この放送でMCの岩波洋三さんは「チックは終始アコースティックピアノ弾き、ゲイリーはマリンバの技法も使って4本のマレットを駆使したパーカッション的なプレイを聞かせます。」これは、音を濁らせないためにこのような楽器を選んでいるのでしょうか?
ダークマターとかを連想します。(ダークマターがなんたるかわからないのに)

「音が濃い」

つうきんのともさん、おはようございます。
自己流の解釈となりますがお付き合いください。
エレキピアノ(以下EP)の「音が濃い」という理由は「音振動が聴衆に伝わるまでのプロセス」にあると思います。アコースティックピアノ(以下AP)もEPも「打鍵→機械的ハンマー操作→ハンマーがピアノ線打つ→ピアノ線振動」という発音方法は同じです。耳を近づけてアンプをつけないままEPを鳴らすと、小さい音でポーンと鳴ります。むろんココでいうEPはシンセサイザーではなくフェンダーローズやワーリツッアーなどのことをさしてます。

それぞれの場合、発音から聴衆へ音が届くまでは、次のようになっております。
・AP:ピアノ線振動→振動が筐体に伝わる→筐体が振動を増幅→聴衆に伝わる。
・EP:ピアノ線振動→ピックアップマイクが振動を拾う→アンプで増幅→スピーカーから聴衆に伝わる。

つまりEPは筐体の振動をほとんど介せず振動体である弦の音を直接拾ってアンプによって音を大きくします。だから共鳴拡散によって楽器自体が弦の振動体となるAPと比べ、EPは「より振動体そのものの音」の要素が強くなります。だからEPはAPよりも「音が濃い(振動体の音がダイレクト)」といえるとわんわんわんは解釈してます。その違いはエレキギターとアコースティックギターのような違いと認識していただければよいのかと思います(エレキギターはボディーが小さいので、もっと木材の質や状態が如実に音に現れますが)。

振動体の音がそのまま聴衆に伝わってしまうためEPはとてもタッチコントロールが難しい楽器だともいえます。そのへんはビル・エバンス(P)もどこかで語っていたと思いました。だからAPで○だったことをEPでやってもXになる場合もあるのです。逆にアンプで増幅するということを逆手にとりボリューム操作で「フォルテピアノクレッシェンド」やトレモロをかけたり、エレキギターのようにエフェクターをかけることも出来ます。チック・コリアはEPを入手して徹底的にそこを研究したことだと思います。

つづきです

ゲイリー・バートンとチック・コリアのデュオですか、非常にいいですね。この2人によって名盤と呼ばれるものが何枚かありますね。

ゲイリー・バートンとの共演でチックがAPを選択した理由は、つうきんのともさんがおっしゃるように「音をにごらせないため」だと思います。それは「両者のおとがにごらないようにと」と、さらには「違う音色を重ねることによる音の広がり」を意図したからだと思います。確かにEPとVibのユニゾンを聴いてもあまり面白くないと思います。

ビブラフォンもEPと同じように「振動体の音」が強い(共鳴管が下にぶら下がってますが)楽器で、タッチコントロールが繊細で難しいというところもEPと共通しています。だからEPとビブラフォンだと「似たような音色」「似たようなタッチ」「似たようなプレイ」になってしまうので、共演する面白さや共演する意味は確実に半減以下となってしまうのだと思います。

原音のみが音が濃いと言うことですね

わんわんわんさん、今晩は。
楽器の音が、共鳴したりしないことが”音が濃い”と言うことなのですね。
アコースティックの時代は、いかに音を大きく出すかと言うことで、筐体で振動を増幅させていたわけですがその過程で、震動源の音が倍音とかを発生していたわけですね。
エレキの時代になってそのようなことをしなくても大きい音が出せるようになったと言うことですね。
その結果、演奏方法も変わってきた(変えなければいけない)と言うことなのですね。

このことで思い出しました。
実は、ザイロフォークスの録音をしたときに聞いた話ですが、録音初期の時代は、木琴の音しかマイクは拾わなかったというのです。
確かに、木琴の音は混じりけがありませんが、他の楽器は様々な付属物をつけているので、性能の悪いマイクを通すと、ピンポイントで強力な音の木琴の音だけを拾うのかもしれません。
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Author:つうきんのとも
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